2023-02-24

規格外野菜を活用したSDGsキッチンカーが増加。逆境を逆手に新たな取り組みが相次ぐ

〜大切に育てた野菜農家の想いを大事に、原価高に負けず高クオリティの商品を提供〜

日本最大級のモビリティビジネス・プラットフォーム「SHOP STOP」を展開する株式会社Mellow(本社:東京都千代田区 代表:石澤 正芳、以下「メロウ」)はSHOP STOPに登録するキッチンカー事業者が、規格外の野菜を積極的に活用し、農家の廃棄野菜の軽減に加え、原価高騰という社会情勢のなかでSDGsにつながる取り組みを開始していることをお知らせいたします。

規格外野菜を活用したSDGsキッチンカーが増加。逆境を逆手に新たな取り組みが相次ぐ
背景

記録的な値上げラッシュとなった2022年、その傾向は2023年も継続となっています。
帝国データバンクが2月に発表したデータによると、前年の倍ペースで値上げが進んでおり、この度5463品目の価格が更新されました。

押し寄せる原価高騰の波に対応するため、キッチンカーでは販売価格をあげる動きや、低価格でもオリジナリティ溢れる料理を提供しようとする取り組みが増えています。

このようななかで、キッチンカー事業者が直接農家仕入れを行い、仕入れコストを削減するなどの動きが出てまいりました。
これまでは、スーパーや市場から野菜を仕入れることが一般的でした。しかし、市場に出回らない規格外の野菜を低価格で購入するなどして、
流通コストを削減するキッチンカーが徐々に増え、フードロス削減などのSDGsにも貢献しています。

農林水産省の作況調査によると、2020年度の野菜収穫量は、単純計算でも1,304万5千トンのうち、約180万トンが廃棄されています。
数字から確認できる廃棄数だけでも多くの「食べられる野菜」が処分されていることがわかります。
一方で、廃棄野菜は生産量全体の総数を見ると180万トンと大きな数字に見えますが、各個別の農家の生産量に換算すると、それほど量は多くありません。
加えて、一般の市場に規格外の野菜が流通すれば、正規野菜の価格が下落する可能性もあり、農家が通常のルートで「規格外の野菜」の流通経路を確保するのは困難な状況といえます。

基本的に農家は、かたちが不揃いなど規格外の野菜が出来た場合、「知り合いに譲る」または「自分で消費する」かの選択を強いられます。
SHOP STOPに登録するキッチンカーの約6割が個人事業主です。そのため、一般流通させるにはボリュームの満たない規格外の野菜の受け皿として適度な事業規模となり、
小規模な形態で事業を行うキッチンカー事業者は、柔軟性を持ったメニュー開発やメニュー提供が可能です。

さらには、原価高騰が続くなか、キッチンカー事業者の仕入れの単価が下がることで、一般消費者に提供するお弁当の価格をあげずにすみます。

メロウはSHOP STOPに出店するキッチンカー事業者がおこなう社会貢献活動や、SDGsなどの取り組みといった、
キッチンカー業界のトレンドをお知らせすることで、業界のイメージアップに加えてキッチンカー業界の発展に寄与してまいります。

SDGsキッチンカーの取り組み

自分の子供に安心して食べさせられる食事を、キッチンカーで提供したい
農家から厳選した野菜を直接購入
野菜のいろどりが鮮やかな「のり飯Stand」

※写真は「やさいとお肉のランチボックス」850円

店舗名:のり飯Stand
開業日:2021/08
SHOP STOPアプリリンク:https://shopstopjp.page.link/HByb
※SHOP STOPアプリから出店状況を確認できます。

生産者が営む直性野菜野菜販売所で野菜を購入したことがきっかけで、「減農薬」や「無農薬」などのこだわりを持った農家の製法に感銘を受けました。

元々飲食店で仕事をしていたため、将来自分で店舗を持つのが夢でした。
キッチンカーを開業した時に、この安心できる野菜を使って顧客にメニューを提供したいと思いました。

開業後、農家から一定数の野菜を仕入れるようになると、「規格外の野菜を引き取って欲しい」という相談がありました。
規格外の野菜といっても、市場の流通網に載せられない野菜というだけで、味も形もほとんど正規の野菜と変わりませんでした。
規格外の野菜を活用すれば、より多くの種類の食事を顧客に楽しんでもらえるのではないかと考え、
提供しているキッチンカーメニューの一部で規格外の野菜を使用するようになりました。

規格外の野菜とはいえ、農家の方がこだわりを持って作ってくれた野菜なので、今後も継続して大事に活用していきたいと思います。

大好きな練馬区の地元で採れた野菜をもっとたくさんの人に食べて欲しい
規格外野菜でキャベツの大盛り無料実現
キャベツたっぷりが選べる「スマイルラボ」

※写真は「味噌カツ」800円

店舗名:スマイルラボ
開業日:2020/11/19
SHOP STOPアプリリンク:https://shopstopjp.page.link/zcq3
※SHOP STOPアプリから出店状況を確認できます

「地元の練馬区で作られた野菜をキッチンカーのメニューにして届けたい」と地元の農家にコンタクトをとったことが農家と接点を持ったきっかけでした。

練馬区は、東京都でありながら農地も多く、キャベツ、大根、蕪などを育てる農家が多い特徴があります。
地元の野菜を仕入れてキッチンカーで営業をしていたところ、農家さんから「B級品の野菜」や「規格外の野菜」の紹介を受け、規格外の野菜を利用し始めました。

現在では、農家から直接購入する正規野菜もありますが、一部かたちが曲がった大根や少々傷がついてしまったキャベツなど
一般流通には出せない野菜を活用して料理を提供しています。
農家からは少しだけ傷がついても商品にはならないと聞いているので、可能な限り仕入れて農家を応援できたらいいなと思っています。

私が提供している味噌カツのお弁当は、キャベツの大盛りが無料です。
千切り用のキャベツは、キャベツが小さくても美味しいキャベツであれば、顧客も喜んでくれますし、農家、顧客、双方にとって良い取り組みだと考えています。

また、規格外の野菜も取り入れることで、味噌カツが食べやすいようにと提供している「キャベツの大盛り」も無料で提供しています。
練馬区の農家が丹精込めて作った野菜なので、食材を大事に使いたいです。今後も通常の野菜購入に加え、規格外の野菜も積極的に使っていきたいと考えています。

旬の野菜を身体に取り入れることの大切さを、食を通して伝えたい
10種類以上の野菜を添えたこだわりのカレー
Natural Kitchen EN’S

※写真はEN'Sカレー1000円

店舗名:Natural Kitchen EN’S
開業日:2021/12/24
SHOP STOPアプリリンク:https://shopstopjp.page.link/ytMS
※SHOP Sアプリから出店状況を確認できます

食を通した仕事に20年以上従事しています。野菜の魅力に気がついたのは、薬膳料理の店舗に勤めている時です。
身体にとって、季節ごとの野菜を食事に取り入れることは、大事な栄養素を補給するうえで効率的です。
例えば、冬であればキノコが体を温めてくれますし、夏であれば胡瓜が身体に必要な水分を補給してくれ、カリウムが身体を冷やしてくれます。

そんな素晴らしい効果を持つ野菜を少しでも食べて欲しいという想いから、8年前に地元の船橋市で野菜メニューが中心のレストランを開始しました。
船橋市では野菜を中心とした料理を提供する店舗は少なかったので、隣町の八千代市からも沢山のお客さんが来てくれる店舗になりました。

コロナ禍の中でテイクアウト需要に対応しようとしましたが、どうしても「できたての食事」を届けたいという想いがあり、2022年の4月からキッチンカーを開始しました。
玉ねぎをとろとろになるまで煮込んだチキンカレーに、最大15品目の野菜を載せたEN'Sカレーは、農家こだわりの野菜を少しでもたくさん楽しんで欲しいという想いから、
たまに少し形がいびつな規格外のさつまいもなどを活用しています。

今後は地元船橋の農家さんと直接提携し、規格外の野菜も積極的に活用し、SDGsなどにも貢献していきたいと思っています。

【参考データ】参考資料:農林水産省 調査結果の概要 令和2年度https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/